中国労働市場での秀逸な人材の確保と慰留対策について(2013年1月11日)
2013年1月11日
寄稿:範本鶴
中国にあるグローバル企業が直面する共通の障害とは、企業を発展させ、維持していくために目標を達成するための現地の人材、とりわけ青年層が必要である。目前に年末年始を控え、転職の時期を向かえるにあたり、この問題はますます厳しさを向かえている。そして、先日行われた管理者能力フォーラムでは、この問題について真剣な討論が行われた結果、共通の認識を抱くことができるにいたった。
一、ブランドの力を借りて、人材を吸収する
ブランドの力量はすでに現在、企業の運営過程中の各方面において、企業のマーケティング、競争相手に勝つこと以外にも、人材獲得の渦中、ブランドの力は日増しに顕著になってきている。
企業が人材の募集にブランドの力を利用することについては、求職者たちにブランドの認知度を上げて、そこで、企業の認知度も高めることができ、また、企業は募集した人材に自分の仕事の内容を把握し、該当者にもその企業で働く機会を考えてもらうように説明することができる。
各企業でおこなわれる仕事の募集の最も重要なポイントは優秀な人材を確保すること、それから、その募集の内容の同じではない環境や企業毎の特徴を強調して、その企業の特性を決定させることができることである。仕事の保障内容の確定、創造力を発揮して、個人の成長の機会を得たものが、報酬を獲得する以外、昨今は仕事の求職者にとっても、その企業文化や社風を知るための一助となっている。そして、各企業にとって大切なことは求職者にその企業のブランドにふさわしい人材となってもらうようにアピールすることである。
二、企業内で公平感を保つことは社員の忠誠度を高めるための重要な基礎になる。
ある会社の管理者の話によると、会社内での公平感の保証は相当注意しなければならない問題であると伺った。その公平感の中には報酬の公平感、また審査の公平感が制度の公平感に繋がるのだと。従業員の忠誠度の調査によれば、公平感の問題は従業員の会社への忠制度に影響のある第一の原因となっている。そして、会社の幹部層の管理的な仕事は官僚的になってしまい、部下のものたちに不公平感を与え、それにより企業への忠誠度に対して影響も及ぼす。公平感のある環境、公平感のある競争が従業員へ積極性をもたらし、それが彼らに企業の発展性を見出し、また、彼ら従業員を奮起させることが可能となってくるのである。
三、加速する中国と外国文化の融合
今、外資企業の中では、中国外国双方の文化的背景が異なるため、彼らの価値観、文化背景、教育方式、思考方式には少なからず相違が生じ、生産管理の文化的差違の相違は避けることができず、このため生産管理の現場で衝突が発生する。グローバル企業の現地の運営管理上のプロセスの中では同時に相互の文化的適応、相互に協力して共通の任務を行うことが必要だ。この一連の過程の中で、まず、価値観を相互に認識して、お互い向き合い、共通の認識を選択して、そこでグローバル企業が完成するのである。
グローバル企業の中では、文化的な相互理解の問題とハイレベルでの管理の難点の一つに、まず、文化的に相互適応していくこと、戦略決定の調整、企業価値観の創設と調整、従業員の鼓舞と新しい管理のスタイルが必要なことである。そこで、企業の中で問題点となる相違とは文化の相違、管理の考え方の違い、制度文化の違い、価値観等である。
例えば、中国の面子文化の問題がある。面子を立てること、中国社会ではとても重要である。欠点や間違いを多くの前で指摘されることは、私達中国人にとって、たいへん罰が悪いことである。中国人にとっては敏感でデリケートな問題なのだ。中国人一般にとって、極力自分と他人の面子を念頭に置きながら、日常素直に自分の気持ちを言い表さないものである。できるだけ、言葉を選びながら、他人の顔をつぶさないように努める。中国人とはこのように相手の面子や社会的地位を守ろうとする。公開の場での表彰や高価な贈り物は相手の面子を保つために必要なものである。
そのような中国人の特徴をしらない外国人管理者はしばしば厳しい表現を使って、従業員を怖がらせ、沈黙をまねくことになる。外国人管理者の話によれば、効率的な業務の運用や従業員の士気を維持することはたいへんデリケートで高度な技術が必要とされる。