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【寄稿】第二四半期の世界経済、成長鈍化の兆し(2014年5月25日)

【寄稿】第二四半期の世界経済、成長鈍化の兆し(2014年5月25日)

 2014年第二四半期以降、世界経済は欧米の景気回復に伴い緩やかな改善が見られていたが、日本経済のパフォーマンスは急激に低下している。

 最新のデータによれば、今年4月世界経済の成長率は6ヶ月振りの低位につけている(4月の全世界購買経理指数は52.8ポイントで、前月比0.7ポイントの下落であった)が、依然19ヶ月連続で成長ボーダーラインの50ポイントを上回っている。国家及び地区別に見ると、第二次産業では現在イギリスとアイルランドで復調著しく、それぞれ10年、8年以来の最高水準で成長している。

 第三次産業では、アメリカとユーロ圏四カ国(ドイツ、フランス、イタリア、スペイン)での経済活動が活発になっている。多くの先進国のパフォーマンスと異なり、新興国ではBRIC(中国、インド、ブラジル、ロシア)のパフォーマンスが相対的に落ちている。

 一、中国:穏便な経済成長を見せるも、成長基盤の強化が必要

 第二四半期においても、中国の実体経済は基本的に穏便な成長を見せている。最新のデータでは、2014年4月中国製造業購買経理指数は50.4ポイントで、全体で0.1ポイントアップ、非製造業商務活動指数は54.8ポイントで、全体で0.3ポイントアップしている。注目に値するのは、全体的に穏便な成長を続ける中で一部業種が高い成長を遂げている点である。

 業種別に見ると、製造業では情報処理関連のコンピュータや電子通信設備製造業、健康サービス関連の医薬品製造業や高度医療設備機器製造業で持続的な経済回復が見られ、その勢いは製造業全体の水準より高い。この他、政府の鉄道建設及び貧民街の再開発など政策プロジェクトの影響により、基礎的建設に関する鋼鉄やセメントに代表される非金属鉱物製品の製造業が急速に回復している。

 サービス業では郵政、鉄道貨物、運輸荷降ろし及び倉庫業の商務活動指数が前月に比べ大幅に上昇している。次に、マクロ的に見て、輸出の不確実性が大きい点である。4月の新たな輸出注文指数が再びマイナスとなったことは、第二四半期輸出の不調を予言するものである。

 第三に、ミクロ的視点から見ると、一部製造業が「融資コスト高と資本ショート」という困難に陥っており、金融機関の実体経済把握、税制優遇政策による企業負担減によって、如何に経済的活力を生み出すかが現在の最優先課題である。

 二、日本:消費税により経済的活力は低下している――雇用データは楽観的

 2014年4月、日本経済は真っ先に縮小傾向に陥った。最新データのよると、日本の製造業は連続14ヶ月の成長を終えている(4月の日本製造業における購買経理指数は49.4ポイントで、前月より4.5ポイントダウンしている)。

 サービス業では、更に大きな下げ幅を記録している(4月の日本サービス業商務活動指数は46.4ポイントで、前月比5.8ポイント減となり、2011年9月以来最低の水準となった)。消費税増税以降、まず企業の生産量が急速に低下しており、調査対象企業の23%で業務総量の低下が見られている。次に、購買力の急速な低下が見られ、これは2012年12月以降最速での低下となっている。三つ目に新規注文と在庫量が反比例しており、新規注文量の減少に伴い在庫量が徐々に高まっている。

 しかしながら注目すべきことに(そしてこれは上述のネガティブなデータと相反するのだが)雇用データは楽観的な数値を示しており、就業者指数の伸びは2007年2月以来の最高水準となっており、またサービス業経営者は12ヶ月の状況について「積極的楽観」の姿勢を貫いている。

 では消費税が日本経済のマイナス面を今後も抑制もしくは解消できるのか?今後の動向が注目される。

         撰稿:何愉

         データ元:中国国家統計局,日本物資管理協会,JPモルガン・チェイス